杉流馬締と宇和島拓哉のTwitter

杉流馬締が官能小説を、宇和島拓哉がラノベやノベライズを書きます。

池袋晶葉とイチャラブえっちする本 第3章&エピローグ

アイドルマスター シンデレラガールズに登場する池袋晶葉とのイチャラブです。
千葉ーザム氏(@barzam154__)の池袋晶葉ツイートに影響されて書きました。

zamlog 池袋晶葉イチャラブビジネス新書をあなたが読むべき8つの理由

 

第1章はこちらです。


池袋晶葉とイチャラブえっちする本 第1章 - 杉流馬締と宇和島拓哉のTwitter

 

uwafii.hatenablog.com

                                        宇和島拓哉

 

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3章
「それでは、行きますよ~!」
 パチリ、と、ちひろが部屋の電気を消すと、クリスマスらしい音楽に合わせて、電飾がきらびやかに光り出し、幻想的な雰囲気を演出した。
「きれい!」
 美味しい料理に、楽しい時間。そして、女の子なら誰でも魔法を信じるクリスマス。
 日々忙しい時間を送るアイドルたちは、束の間の休息を楽しんでいた。
「にょわーーーッ!! サンタ登場だにぃ~~♪」
「きらり、口調で誰だかバレちゃうんだけど」
「はッ!? み、みんなー! たのすぃーパーティーにしようね~!」
 ステージでは、きらりんサンタたちがプレゼントを配っている。
「日本のクリスマスは、盛大でございますですね」
「そうだな」
 ライラと晶葉は、賑やかなスペースからは一歩離れ、ノンアルコールワインのグラスを傾けていた。
 ライラの生まれは中東の国だが、半ば家出のような形で日本へやってきた。
 しかし慣れないアルバイトに苦労し、家賃の支払にも困っていたところ、この346プロのプロデューサーからスカウトされたという経緯がある。
 そんなライラを、晶葉は衣服や家電の面で支え、よき友人としても交流していた。
「アキハさんから頂いた冬用の白衣、とてもあたたかでございます」
 化学系の実験に使われる厚手の白衣2枚を、ライラは赤と緑に染め、見事なクリスマスカラーのコートに仕立てあげていた。
「それはよかった。それに、うまく染まってるぞ」
「ありがとうです♪ アキハさんのピカピカも、とても綺麗でおわしますです」
「ふふ、そうだろう」
 音楽とともに会場を盛り上げる電飾は、実は晶葉の作品だ。
 ついこの前、晶葉とプロデューサーが二人で秋葉原へ買い出しに行き、その後組み上げたものだ。
「本当にすごいでございます。プロデューサーさんもさぞお喜びあそばされていらっしゃるですますね」
「ブッ」
 晶葉は思わず吹き出した。
 プロデューサーと晶葉の恋人関係は、ちひろ以外にはバレていないと思っていたが、どうやら違うらしい。
「ラ、ライラ。それはどういう意味だ……?」
「ん~、やまとなでしこの秘密でございます♪」
 真意を尋ねても、フフフ、と静かに微笑みを浮かべるのみのライラ。不思議な日本語を話し、不思議な生活を送る彼女には、なにか不思議な力が秘められているらしい。
 動揺した晶葉は、「これがオイルマネーか……」と、こちらも不思議な納得の仕方をしていた。
「そ、そうか」
「はい。アキハさん、プロデューサーさんは休憩ルームにいらっしゃいましたです」
「そうか」
「いってらっしゃいませです♪」
「う、うむ……」
 人はなぜだか、ライラが微笑みながら提案することを断ることができない。
 それはライラがアイドルとして人気を集めつつある理由のひとつであり、また、その影響を受けるのは晶葉も例外ではなかった。
 晶葉は会場を後にし、休憩ルームを訪ねると、プロデューサーが窓から星空を眺めつつ頬杖をついていた。
「助手よ。お疲れさん」
「あぁ、晶葉」
「その、一人じゃ寂しいだろうと思ってな」
 二人分の飲み物と軽食をテーブルへ置き、プロデューサーの隣へ晶葉が腰かける。
「ありがとう」
「星でも眺めていたのか」
「あぁ。それと、晶葉のことを考えてた」
 唐突に愛の告白のような言葉を言われ、晶葉の頬が赤くなる。
「そ、そうか。まぁ、恋人同士なら当たり前、か」
 『恋人』という、自分で言った言葉に、晶葉はさらに恥ずかしさを感じた。
 公私ともに頼れる男の人と、クリスマスに、恋人として、こうして夜空を眺めながら寄り添っている。
 改めてその幸せを噛み締め、晶葉はほんの少しだけ、プロデューサーの肩に身体を預けた。
「晶葉」
「ひゃいッ!?」
 突然の呼びかけに晶葉は驚き、思わず身体を離した。
「耳、こっちに近づけて」
「う、うむ」
 プロデューサーの真剣な表情に気圧され、晶葉は彼へ右耳を近づける。
「(一体、何を始めるつもりだ? 内緒話か? それならこの部屋には二人しかいないのだから、そのまま話をすればいいだろう。それとも、み、密室だから、その、耳に……!)」
 晶葉がいろいろな考えを巡らせていると、耳をひんやりとした金属製の何かで軽く挟まれた。
「できた。見てごらん」
 プロデューサーが、手鏡で晶葉を映す。月明かりで青白く照らされた晶葉の耳には、きらりと光る、かわいらしい小さな星形のイヤーカフが着けられていた。
「助手よ、これは……!」
 眉間にしわを寄せて考え込んでいた晶葉の表情が、ぱあっと明るくなる。
 イヤリングは耳たぶへ着けるが、イヤーカフは耳の軟骨を軽く挟んで着ける。微妙な差だが、その差が少女のオトナらしさを演出し、また、星形のデザインが中学二年生らしいコドモらしさも醸しだしていた。
「あぁ、クリスマスプレゼントだ」
「と、とてもかわいいぞ! ありがとう!」
「ふふ、どういたしまして」
 手鏡の中の晶葉が、様々な角度でイヤーカフをきらめかせる。チェーンが揺れるたびに、晶葉の笑顔も明るくなる。
「素敵だ……♪ まさか君からこんなに素敵なプレゼントがもらえるだなんて」
「気に入ってくれたみたいだな」
「当然だ! 他ならぬ君からのプレゼントだからな!」
 晶葉が満面の笑みで答える。
 そのかわいらしい表情に、プロデューサーは思わずキスをした。
「!?」
 ニコニコとした笑顔から、瞬間、頬を真っ赤にした困惑の表情へと変わっていく晶葉。
 コロコロと表情を変える彼女が愛おしく、プロデューサーは晶葉を抱き寄せ、もう一度キスをする。
「んっ、んんっ……ぷぁ!♪ い、いきなりなんだ!?」
 晶葉がうるうるとした瞳で彼を見上げる。
「すまん、晶葉がかわいかったから」
 プロデューサーが晶葉を見つめて言った。
「まったく……ま、まぁこのイヤーカフに免じて許してやろう」
 とは言うものの、まんざらでもない表情でそう返す晶葉。
 オレンジジュースをちゅーっとストローで飲み、一息つく。
 二人だけの空間で、晶葉とプロデューサーはしばらくキスをしたり、抱き締めあったり、晶葉が持ってきた軽食を食べていたが、時計を見た彼が、こう切り出した。
「そうだ、晶葉。街へ行かないか」
「今からか? しかしパーティーの片付けが」
「大丈夫だ、片付けは前川と多田たちに任せてある。ジャンボパフェ2人分のチケットで快諾してくれた」
「人がいいのか、現金な奴なのか……しかしそれなら安心だ。分かった。今日はクリスマスだからな」
 女の子にとって、アクセサリーは魔法だ。服やメイクほど外見を変えてはくれないが、どんな引っ込み思案の心でも、意中の男性へ微笑みかけられる、そんな心へと変えてくれる。
 今日の晶葉には、魔法がかかっていた。

「さすがに人が多いな」
 クリスマスというだけあって、街には人が多い。地下鉄の階段から地上へと出た瞬間から、はぐれてしまいそうな人混みにぶつかった。
「そうだな。晶葉、手、繋ごうか」
「あ、あぁ」
 プロデューサーに促され、晶葉が彼の手を握る。周りを見れば、同じようにして手を繋いで歩いている恋人がたくさんいる。
 私とこの人は本当に恋人同士なんだ、と、感じた晶葉は嬉しくなって、今にもスキップしたい気持ちになった。実際は、小さい頃からスキップが苦手なのだが。
 誇らしいのか、恥ずかしいのか。自分でもよく分からない。晶葉は自分の心に問いかけながら、プロデューサーから半歩遅れて歩く。
 彼の歩幅が大きいのもあるが、晶葉は今にも抱き着きたい気持ちを抑えて、代わりに彼の手を強く握った。
「晶葉。手、痛い」
「っわあ! す、すまん」
 プロデューサーが優しく微笑む。
「じゃあ、こうやって繋ごうか」
 プロデューサーは晶葉の指と指の間に、自分の指を絡ませ、いわゆる『恋人繋ぎ』をしてみせた。
「じょ、助手よ、これは」
 ラブラブカップル御用達とも言える手の繋ぎ方に、十二月の寒空に冷やされていたはずの晶葉の頬が、また熱くなる。
「こういうの、嫌か?」
「そっ……そんなわけない! そうだな、こちらの方が力がいらない割に、摩擦が増えて、離れにくくなるからな!」
 それらしい言葉をまくし立てて、照れ隠しなのか、晶葉がプロデューサーの半歩先を歩く。
 プロデューサーの左手は、大きくて、あたかかった。

 メインストリートから一本道を離れても、イルミネーションは続いていた。
 二人は幻想的な風景を眺めながら、ウィンドウショッピングを楽しむ。
 コートに帽子、ブーツやスカート。晶葉はロボやメカの研究をしているが、やはり女の子だ。そして大好きな彼の前ともなれば、もっともっと着飾ってみたくなる。
「どうだ? ちょっと大人っぽすぎるが、こういうのもいいだろう」
「あぁ。似合ってるよ、晶葉」
「ふふん♪ アイドルはファッションセンスも命だからな♪」
 そうして街を歩いていると、小さなケーキ屋が目に入った。
「お、おぉ……!」
 店先のショーケースには、クリスマスらしいファンシーなケーキが並んでいたが、その隅に置かれた珍しいデザインのケーキに、晶葉は目を奪われた。
「面白いな。ナットとボルト型のブッシュ・ド・ノエルに、ロボット風のサンタか」
「助手よ! これはぜひ買うべきではないだろうか!?」
 目をきらきらと輝かせて、晶葉がそうおねだりする。
「そうだな。買っていこう。すみません、このケーキをひとつ」
 まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のように目をきらめかせながら、晶葉は手提げ袋に入れられたケーキを受け取る。
「助手よ! 素晴らしいケーキをありがとう!」
「ふふ、大はしゃぎだな」
「まさかこんなに優れたデザインのケーキがあるとはな! 助手、一緒に早く食べよう!」
 と、晶葉がはしゃいだ時、二人はある重大な事実に気がついた。
 ……どこで食べよう。
「晶葉、うち、来るか?」
「あ……あぁ。そうさせてもらおう」
 晶葉はプロデューサーの手をぎゅっと握り、赤くなった頬がばれないように、少し顔を伏せながら歩いた。

 手を洗って、二人でソファへ腰かける。
 フォークを握り、猫のような口角をしながら、ケーキが切り分けられるのを待つ晶葉の姿は、まるで小さな子供のようだ。
「ほら、晶葉のにはサンタを乗せてやる」
「ありがとう! いただきます♪」
 晶葉はブッシュ・ド・ノエルをフォークで小さく切り分け、口へ運ぶ。
「んっ……♪」
「どうだ、うまいか」
 夢中で何口も食べてから、口の端に茶色いチョコクリームを付けながら、晶葉が言った。
「うん、うまいぞ!♪」
 彼女の満面の笑みに、プロデューサーの胸がきゅっと小さく音を鳴らす。
「あっ」
 指で彼女の口元を引き、キスをした。
「ごめん、かわいくて」
「き、君はいつでも突然なのだ」
 晶葉が口元を手で隠しながら、視線をそらす。
 でも、今夜はクリスマス。そして今の彼女には、魔法がかかっていた。
 晶葉は座りなおして、彼との距離を縮める。
「助手」
「晶葉」
 プロデューサーは晶葉の身体を抱き寄せ、キスをした。
「ん……」
 舌の先が甘い。
「んんっ、ちゅぷ……」
 甘くて、愛おしくて。うるんだ瞳に恋をして。
「ぷぁっ、あっ、んん……♪」
 頭の芯からとろけそうなキスを、二人は何度も繰り返す。
「ふっ、んふ……」
 お互いの手が、自然と下腹部へ伸びる。
 優しく撫でられるたびに、胸がドキドキと高鳴って、頬の赤みが増してゆく。
 プロデューサーは晶葉の熱い頬へキスをし、さらに強く抱き締める。
「好きだ」
「うん」
 プロデューサーは心のままの思いを、耳元でささやく。
「私も、す、好きだ……」
 彼の吐息を耳に受けた晶葉は、好きという一言さえすぐに言えなくなるほど、頭がぼうっとしてしまっている。
 幸せな混乱だ。
「んっ」
 そっと目を閉じ、少しだけ尖らせた唇を差し出す晶葉。
 プロデューサーは彼女の想いに応え、キスをする。
「んん、あっ……♪」
 プロデューサーの唇に、耳を挟まれる。
「あっ、んっ、んんっ……♪」
 晶葉はびくびくと身体を震わせ、かわいらしい声を上げる。
 耳たぶを前歯と舌で優しく圧迫され、耳の溝に舌を這わせられる。
 片方の耳は優しく手でふさがれている。
「だめっ、助手ッ……これ、んん……♪」
 彼の舌が這う音が、頭のなかで反響する。片方の耳をふさがれているせいだ。
 いやらしく響く水音と、そして愛しい彼が自分を興奮させようとしていること。
 それ自体に、晶葉は愛を、そして性的興奮を感じてしまっていた。
「ふあっ! ……はぁっ、はぁっ、はぁっ」
 視線がとろけ、快感の余韻に、晶葉の身体が小さく震えている。
「み、耳を舐めるなんて」
「嫌だったか?」
「嫌では、ないが……」
 晶葉は指で耳元を撫でながら言う。
「突然されると、びっくりする」
「分かった。じゃあ今度からは、次にすることを先に言うよ」
 天然なのか愉快犯なのか、こんなことを言いながら、プロデューサーがそう微笑む。
「君ってやつは」
 いつものプロデューサーらしさに、晶葉も少し困ったような微笑みを見せる。
 二人はお互いを抱き締めあい、キスをした。
 体勢を少しずらして、プロデューサーが晶葉の胸へ優しく触れた。
「晶葉、ここ、触っていいか」
「……うん」
 プロデューサーの胸へ顔を埋めていた晶葉が、短く返事をする。
 彼女の唇から発せられたわずかな振動が、彼の心をふわりと撫でる。
「あっ」
 十四歳にしては少し大きい胸を、彼の手のひらが優しく包む。
 それだけで二人の胸はドキドキと高鳴り、どこか寂しくなって、お互いを見つめ合い、キスをする。
 唇をついばみ、舌先を触れ合わせる。前歯の先を撫で、唇のふちを舐める。
 下着越しなのに、胸が熱い。
 ときめきを抑えたくてキスをしたのに、切なさがあふれて、身体の震えが止まらない。
 こらえ切れなくなったプロデューサーは、晶葉の耳元でささやいた。
「動かしても、いいか」
「うん」
 彼女の胸を包んでいる彼の手が、ゆっくりと円を描くように動き始める。
 それは優しく、じれったいほどに臆病な動きだったが、愛しい恋人にキスをされながらの愛撫は、何よりも幸せだった。
「はぁっ、はぁっ」
 晶葉の息が荒くなる。プロデューサーの首元を、彼女の甘く熱い吐息が撫でる。
「前、外すぞ」
「んっ……」
 ぷち、ぷち、と、プロデューサーが晶葉のかわいらしいパステルグリーンのブラウスのボタンを外す。
「あっ」
 ブラウスの前を開けると、かわいらしいクローバー柄のブラジャーが現れた。
「晶葉、かわいいよ」
「あ、ありがとう」
 自分でもなるべくかわいいものを選んだ、というかちひろに選んでもらったものだが、恋人に褒められるとやはり嬉しい。
 じっと見つめてくる彼に対して視線をどこへやったらいいのか分からず、晶葉が困った表情を見せる。
 すると、プロデューサーが晶葉の胸元へキスをしてきた。
「あっ……♪」
「晶葉のここ、おいしい」
「そんなわけあるかっ」
 心の底からそう思っているかのように見上げてくる彼の表情に、晶葉の顔も思わずほころんでしまう。
「んっ、あっ……」
 プロデューサーが何度も胸元へキスをする。目を閉じて、優しく。とても愛おしそうに。
 晶葉の頭を撫でながら、ちゅっ、ちゅっ、と小さく音を立てて、たくさんキスをしてくれる。
 そのたびに晶葉は、ドキドキと脈打つ胸の奥の音が聞こえやしないかと不安がったが、恋人のその優しい愛撫に、安らぎのような、それでいて下腹部がジンと疼くような、幸せな感覚を抱いていた。
 彼の手が、ブラウスの下からブラジャーのホックにかけられた。
「あっ」
「晶葉、外していいか」
 晶葉が頭を小さく縦に振る。
 プロデューサーは彼女の唇へキスをしながら、両手を晶葉の背中へ回し、『プチ、プチッ』とホックを外した。
 そのままプロデューサーは彼女からブラジャーとブラウスを脱がせてあげようとしたが、晶葉は彼にぎゅっと抱きついてきた。
「どうした、晶葉」
「見ちゃ、だめ……」
 晶葉の顔が、プロデューサーの胸へぐりぐりと押し付けられる。
「ごめん、まだ恥ずかしいよな。暗くするか」
 プロデューサーの胸へうずまっているかわいいツインテールの頭が、ぐいと動く。
 彼は彼女へ「前隠して待ってて」とうながし、部屋の照明を暗くした。
「その間接照明は、消せんのか。その、逆にいやらしいのだが……」
 両腕で胸を隠した晶葉の顔が、みるみる赤くなる。
「ごめんな。全部消せるけど、ここ、月明かりとか入らないんだ。だからこれで我慢してくれるか」
 晶葉は真っ暗な空間が苦手だということを知っていて、配慮してくれるプロデューサーの優しさにときめきながらも、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。
 それでも晶葉は、大きく息を吸って、吐いてから、隣に座ったプロデューサーへ向きなおった。
 そして、晶葉は自分からキスをした。
「んっ」
 意表を突かれたプロデューサーだったが、そのまま晶葉を優しく抱き締め、頭も撫でてやる。
「んふっ、んん……♪」
 自分から求めたというのに、晶葉の身体から力が抜けていく。
 プロデューサーはかわいい恋人のかわいらしい重みを感じながら、彼女の耳元でささやく。
「かわいいよ、晶葉」
「うぅ……♪」
 晶葉は照れ隠しに、プロデューサーへキスをする。
 しかし、キスをすればするほどに身体は熱くなり、胸の奥はキュッと締まっていく。
 唇を離し、プロデューサーが晶葉。
「晶葉の胸、見たい」
 ブラウスのボタンを外され、ブラジャーのホックも解かれた胸を隠す晶葉の腕が、わずかに固くこわばる。
 プロデューサーとは恋人の仲だし、彼のあそこも、自分のものも、すべてさらけ出した関係だ。
 しかしだからこそ、恥ずかしくて、でも恋人たちが愛を誓う、そんな夜だからこそ……。
 数瞬の間のあと、彼女はこう言った。
「少し、向こうを向いていてくれ。それと、優しく、してほしい……」
 ありがとう、と微笑みながら、プロデューサーは座りなおして背中を向ける。
 シュル……と、わずかに衣擦れの音を立てながら、晶葉がブラウスを脱ぐ。
「(これはこれで、いやらしくなってしまったな)」
 スタジオ外の撮影など、異性のいる空間で(簡易の仕切りの中で)服を脱いで衣装へ着替えることには慣れていたが、異性の前で、しかも恋人、さらに一糸まとわぬ姿へとなるのは本当に恥ずかしい。
 太ってはいないだろうか、胸は小さくないだろうか。先端の色は濃くないだろうか、垂れてしまってはいないだろうか。彼は……私のことを、嫌いにならないだろうか。
 そんなことを考えながら、晶葉はブラジャーから腕を外す。
「助手よ、こちらを向いてもいいぞ」
 プロデューサーは晶葉の方へ向きそうとしたが、
「ま、待て! やはり助手も、上を脱いでくれ……」
 と、晶葉が恥ずかしがった。
「ふふ、分かった」
 晶葉へ背中を向けたまま、プロデューサーがシャツのボタンを外し、下着を脱ぐ。
 今まではスタジオで大道具などを運ぶ筋肉質な男性と比べて、プロデューサーは華奢な男性だと感じていたが、こうして脱がせて見てみると、意外にも背中が大きく頼れる男性だったと気付く。
 そして彼の背中へ浮き出た肩甲骨を見た晶葉の胸に、一瞬、ときめきが走った。
「晶葉、これでいいか……んっ」
 プロデューサーの背中に、ふわりと柔らかく、温かいものが触れる。
「晶葉」
「な、なかなか鍛えているようだな」
 晶葉がプロデューサーへ抱き着く。
 何も着ていない裸のままの晶葉の胸が、同じく裸のプロデューサーの背中へ押し付けられる。
「まぁ、荷物とか運ぶこともあるからな」
 胸へ回された晶葉の手を、プロデューサーが優しく撫でる。
 晶葉はピクンと小さく身体を震わせ、赤く熱を持った頬を、彼の首もとへ置く。
「助手、助手は、恋人の胸が小さかったらイヤか?」
「愛しい恋人の胸なら、どんな大きさでも歓迎だ」
「その、先っぽの色がピンクじゃなくてもか?」
「俺はそっちの方が好きだ」
 晶葉がぷっ、と吹き出す。
「君の性的嗜好が特殊で助かった」
「だけど、恋人に関しては自信を持っているからな」
 彼の口から自然に出た言葉に、晶葉の胸は再び強く鼓動を打つ。
「好きだよ、晶葉」
「私も……君のことが好きだ」
 プロデューサーが軽く振り向き、彼の肩越しに身を乗り出した晶葉が、その唇にキスをする。
「晶葉、見せてほしい」
「あぁ、わかった……」
 晶葉が彼から身体を離し、プロデューサーがゆっくりと彼女の方へ向きなおる。
 するとそこには、二の腕で胸を隠そうとしながらも隠しきれず、逆に胸が寄せられる形で強調されている胸をもじもじとさせている晶葉がいた。
 その胸は、彼女が言うようなものではなく、むしろ、十四歳の少女にしては少し大きく、形も色もきれいな、美しいものだった。
 プロデューサーが晶葉の頭を撫でる。
「晶葉、きれいだよ」
「お、お世辞はいいんだぞ」
「そんなこと、晶葉に言わないさ。本当に綺麗だ」
「うぅ」
 目を閉じ、晶葉がキスを求める。
 プロデューサーは彼女の首元へ、優しくキスをした。
「あっ、そこ、ダメ……ん、んんぅ……!」
 桃色をした晶葉の胸先が、ピンと張り詰め、ふるふると震える。
 何度も何度も繰り返されるキス。
「ん、あっ、やめ……!」
 自分でも知らなかった、感じてしまう場所。
 恋人にぎゅっと抱き締められながら、首元や胸元への吸い付くようでいて優しいキスが、こんなにも気持ちいいだなんて。
 晶葉はそう感じながら、やめてほしいはずなのに、彼の背中へ腕を回し、強く抱き締める。
「んっ、晶葉……」
「いや、その、なんだか少し、寂しくなっただけで」
 さみしがり屋な唇に、プロデューサーはキスをしてやる。
「んっ……もう、大丈夫だ」
「じゃあ、ここにキスしても大丈夫か」
 プロデューサーが晶葉の胸へ視線を投げる。
 すると晶葉が、抱き着きながら彼の胸へ額を擦りつけてきた。
「……優しく、してくれ」
 晶葉が少し潤ませた瞳で、プロデューサーを見上げる。
 その瞳が愛おしくて、プロデューサーは晶葉にキスをした。
 そして、口元、頬、首、胸元へとキスをしていく。
「んっ、あっ」
 形がよく柔らかな丸みを見せる乳房を左手で持ち上げ、乳首を軽く擦ると、晶葉が悩ましい吐息を漏らす。
「く、ふぅぅ……♪」
 先端へ軽くキスをし、そのまま口に含む。
「ふあっ」
 舌先でつつき、乳輪を舐める。
 晶葉の身体がぴくぴくと反応し、少しずつ汗ばんでくる。
「じょ、助手よ、うぅ」
 ちろちろと焦らすように先端を刺激していると、充血し、ぷっくりと乳首が勃起してくる。
「晶葉のここ、おいしい」
「ばかっ」
 晶葉が唇を尖らせ、そっぽを向いてしまったので、ごめんごめんと、プロデューサーが頭を撫でてやる。
「変なことを言わないでくれ、ただでさえ恥ずかしいのに」
「ごめんな。晶葉がかわいくて」
 晶葉の頭を優しく撫でながら、プロデューサーがキスをする。
 そのまま乳房を小さく揺らし、乳首を優しく擦ると、口づけをしている晶葉の口の端から、熱く甘い吐息が漏れ出た。
「あっ、くぅう、んっ……♪」
 愛しい恋人に頭を撫でられるだけで、キスをされるだけで、とても幸せなのに、今は胸も気持ちよくなっている。
 瞳を閉じ、その幸せを噛み締め、晶葉は彼へ身を委ねる。
 すると、まぶたの裏へ小さな電流のようなものが走った。
「んッ……!」
 プロデューサーの唇が、乳首を甘く噛んでいる。
 唇の裏から歯を立て、乳首を挟む。そのまま左右にコリコリと転がし、柔らかな圧迫を伝えている。
「それッ、だめッ……!」
 眉間にしわを寄せ、晶葉が喘ぐ。
 呼吸が荒くなり、身体の芯が熱くなる。
 もじもじと太ももを擦り合わせながら、晶葉は快感の波に悶えている。
「はぁッ、はぁッ」
 もう片方の乳房も、柔らかく揉まれていた。
 大きく撫でるようにされたり、乳輪を指先でいじらしく刺激される。
 指先で背中をなぞるように撫でられる。ゾクゾクとした感覚が走り、呼吸が乱れ、さらに感じてしまう。
 彼の口に含まれ、唾液に濡れた舌で刺激され続ける乳首は、痛いほどに勃起し、迫りくる快感を敏感に伝えてくる。
「助手ッ……あぁッ」
 晶葉の太ももに、彼の膨れ上がった何かが当たっている。
「(私の身体で、興奮しているのだろうか……)」
 自分がプロデューサーを興奮させているのだと感じると、晶葉の胸へ恥ずかしいような、愛しいような気持ちが湧き上がり、漏れ出る嬌声がさらに甘いものへと変わっていく。
「だめッ、んんぅ……♪」
 自分でも、こんな声を出してしまうのが不思議なくらい、晶葉は感じていた。
 両足の間から、汗が噴き出ているような感覚がある。
 いや、違う、この感覚は……。
 晶葉はそれに気付いたが、『触ってほしい』と言うこともできず、彼にキスを求めた。
「キス、して」
 舌を絡ませ、身体を密着させる。
 汗ばんだ肌がお互いをさらに近づけ、熱い体温を伝え合う。
 太ももへ触れる彼の勃起が、ぴくぴくと脈打っている。
 晶葉はそれを見つめ、それとなく太ももで刺激してみた。
「んっ」
 プロデューサーが小さく反応し、晶葉へ微笑みかける。
「晶葉、晶葉のそこも」
 そう尋ねられた瞬間、晶葉は照れ隠しのキスをした。
 そして、精いっぱいの勇気で、彼の手に触れ、自らの股間へ導く。
「痛かったら、すぐに言うんだぞ」
 プロデューサーの優しい言葉にときめきながら、晶葉はこくんとうなずく。
 彼の中指が、柔らかくショーツのクロッチへ触れる。
「あっ」
 晶葉の既にクロッチは湿っており、彼の指は、彼女の秘貝へ布越しとは思えない刺激を与えた。
「んぅ」
 プロデューサーは触れているところを見せて怖がらせないよう、彼女の頭を撫でながら、優しくキスをしてやる。
 クロッチから熱い水蒸気が立ち上り、彼の指さえも湿らせる。
 晶葉の太ももはふるふると小さく震え続け、いじらしい刺激を受け止め続けていた。
「晶葉、脱がしていいか」
 プロデューサーが晶葉から唇を離してそう尋ねると、彼女は小さくうなずいた。
 彼は晶葉の腰を浮かせ、ショーツをずらす。
 幾重にもまくれてシュシュのように丸まったショーツが、晶葉の足から脱がされた。
「触る、ぞ」
 プロデューサーが晶葉の太ももを撫で、股間へと手を伸ばす。
 中指が女の子の小さな穴から秘芯へと撫で上げる。
「んぁあッ……!♪」
 晶葉が口を抑えて、大きな嬌声を漏らす。
「大丈夫か? 痛かったか?」
「い、いや、少し驚いただけだ……」
 真っ赤な頬をした晶葉が、視線をそらしながらそう答える。
「そうか、じゃあ続けるぞ」
 くちゅ、くちゅり。
 小さな水音を立てながら、彼の中指が晶葉の濡れた股間を滑る。
 熱く、ぬるぬるとした分泌液が、お互いを濡らしている。
「あッ、あぁ」
 晶葉の胸はどきんどきんと脈打ち、彼の刺激と同調する。
 そのたびに下半身からの快感は大きく迫り、嬌声を抑える手も震える。
「痛くないか」
「うん」
 女の子の小さな入り口を、何度も何度も擦られる。
 そのたびにふわふわとした快感が渦を巻き、今にも溺れてしまいそうになる。
 奥からはぬらぬらとした分泌液がとめどなくあふれ出てくる。
「んんッ、ん、あッ」
 プロデューサーの口元へ唇を近づけ、キスをねだる。
 舌先と舌先をつつきあい、絡ませ、唇を重ねる。
「はん、んんッ、ふうぅ」
 首の角度を変え、唇をむさぼる。
 恋人に秘所を刺激されながらの、熱いキス。
 快感から注意をそらしたくてキスをしたり、抱き締めたりしたのに、さらに気持ちが集中し、感じてしまう。
 無意識のうちに腰が動き、強く閉じられた太ももは彼の手を圧迫する。
 まだ浅い位置なのに、ぎゅううと締め付けるようになってしまう。
「晶葉、かわいいな」
「うぅっ♪ 気持ち、いい……」
「好きだよ。かわいいよ」
「ッ……♪」
 幸せな言葉をささやかれ、胸も、心も、大切なところも、すべてが感じてしまう。
 晶葉は少し前までは自慰にさえ罪悪感を感じていたが、今は、恋人との素敵なスキンシップということを、身体を通して知っている。
 もっと、もっと君が欲しい。私の名前を呼びながら、もっと、たくさん触れて欲しい。
「助手……」
「どうした」
「好き、だ……」
「ふふ。晶葉、俺も好きだよ」
 君に触れたい。
 たくさんの愛を受けた晶葉の心は、次に彼へその愛を返そうとしていた。
「ん、じょ、しゅ……」
 晶葉の細指が、おずおずと彼の膨らみへ触れる。
「んっ」
 ズボンの上から、指先で硬い盛り上がりをなぞる。
 ゆっくりと撫でるたびに、彼の呼吸が少しずつ荒くなる。
「気持ち、いいか?」
「あぁ、すごく……」
 愛しい恋人が、自分の愛撫で感じてくれている。
 とても幸せなその状況に、晶葉は微笑みながらキスを返す。
「ズボン、脱がしてしまってもいいか?」
「あぁ」
 彼のベルトを外し、ホックを開け、ジッパーを下げる。
 すると、今にもはちきれんばかりに膨らみきりパンツを押し上げる、彼のものが現れた。
「う……」
 パンツ越しでも十分に威圧感のある大きさに、晶葉は思わず唾を飲む。
 指先でちょん、と触ると、ぴくん、とそれは跳ねた。
「んっ」
「さ、触るぞ……」
 布越しに彼のものを握る。
 びくびくとした脈動と熱が伝わり、彼が本当に自分で興奮してくれたのだということが分かる。
「痛く、ないか?」
「大丈夫だ」
 彼のものを握った手を、ゆっくりと上下させると、プロデューサーの呼吸が乱れ、頬が紅潮する。
 アイドル大ベースボール大会で握った金属バットほどの太さと、硬さにおののきながらも、彼が自分の愛撫で感じてくれているという事実に、晶葉は興奮を覚えていた。
 愛撫を続けながら、彼にキスをする。
「んっ、あっ」
「ん、んんっ、ふうっ」
 離してしまっていた彼の手も、再び晶葉の股間へと伸びる。
「あっ、あぁっ」
 晶葉が身体を丸めながら喘ぐ。
 彼のものを触りながら、感じてしまうところをいじられる。
 お互いの秘所をまさぐりながらのキスは、どこか背徳的で、そして深い興奮を、大胆さをもたらすものだった。
「ん」
 晶葉の手が彼のパンツをめくり、睾丸の下までずり下げる、
 すると、やはり大きな秘棒が現れ、晶葉の胸がドキンと鳴った。
「直接……触るぞ」
 晶葉のかわいらしい手が、たくましい彼のものを柔らかく包む。
 中学生らしい小さな白手が、大人らしいペニスを握っている。
 そのままゆっくりと手を上下させ、彼のものを刺激する。
「助手よ、痛くないか?」
「大丈夫」
 プロデューサーが優しく微笑む。
 が、そこにいつものような余裕さは感じられず、彼もかなり興奮していることが見てとれた。
 しごく速度を少しだけ早める。
 すると彼のものが反応し、手の中でぴくぴくと跳ねた。
「晶葉、気持ち、いい……」
 晶葉の股間を刺激する彼の指が、入り口より少し奥の、ザラザラとしたひだの部分を刺激する。
「んんっ……!」
 いわゆるGスポットと呼ばれる部位に触れられ、晶葉は思わず声を上げた。
 クリトリスから受けるような鋭い刺激ではないが、重く、深いその快感は、彼女の興奮を確かに高めていく。
 下腹部がうずき、泣き出したくなるような切なさと、彼からの愛が同居する。
 そんな不思議な心の内を、晶葉は唇へ込めて彼に伝える。
「んっ、ちゅっ、ちう、ふっ、ちゅう……」
 プロデューサーの指が膣口から引き抜かれ、硬く勃起した秘芯へとあてがわれる。
「あぁッ……!」
 愛液に濡れた指をクリトリスの上でぬらぬらと動かされ、晶葉は激しい嬌声を上げ、その快感に眉をゆがめる。
 ちゅく、ちく……と水音を立て、彼の指が秘芯の上を、下を、左右を、円を描くように刺激する。
「だッ、めッ」
 先ほどとは違う種類の快感が下半身から押し寄せ、受け止める間もなく、晶葉はその波に呑まれていく。
 全身がびくびくと震え、力が抜けてしまい、握っていた彼のものからも手を離してしまう。
「はッ、はぁッ」
 息が荒くなり、体温がさらに上昇する。
 プロデューサーへしなだれかかり、晶葉は甘い吐息を彼の耳元で漏らし続ける。
「好き、好き……」
「好きだよ。晶葉」
 中指と親指で軽くつままれ、くりくりと指の間で肉芽を転がされる。
「ん、んふッ」
 自分でする時とは違う愛撫をされ、驚きと快感を覚え、そのたびにたくさんの愛蜜を漏らしてしまう。
「あっ、だめッ」
 プロデューサーの唇が胸元を優しく吸う。
 そして乳房を舌先で撫でられ、先端を唇に挟まれる。
「あぁッ」
 クリトリスと乳首を刺激され、脱力した晶葉の身体はもはや、されるがままになってしまう。
 プロデューサーは彼女の小さな身体を支えつつ、敏感な部位を愛撫する。
 反射のせいか、ぴっちりと閉じられた彼女の太ももが彼の手を圧迫し、身体をぶるぶると震わせる。
「じょ、しゅ……」
 力なく晶葉がささやく。
 その声に反し、彼女の身体はそのこわばりをさらに強めていく。
 彼を抱き締める手は痛いほどに握りこまれ、太ももはこれ以上ないほどに閉じられ、乳首は硬く勃起している。
「気持ち、あぁッ……!」
 玉のような汗が額から落ち、彼の身体を濡らす。
 晶葉の表情からは一分の余裕さえも見られなくなり、その甘い嬌声はもはや抑え込むことさえもできなくなっている。
「じょ、助手ッ……! それ、だめだか、らぁッ」
「晶葉、大丈夫だ、最後までしよう」
「最後ッ、ってぇッ、ふぅぅ……!♡」
 晶葉の身体中が震え、呼吸が乱れる。
 彼の指と口は間断なく刺激を与え続け、彼女を絶頂へと追い詰める。
「だめッ、怖いッ、助手ッ、私ッ……!♡」
「大丈夫、俺が全部受け止める。晶葉、俺は晶葉が好きだッ」
「くッ、ああッ……!♡」
 迫り来る快感の大波に、晶葉は歯を食いしばり、最後の抵抗を試みる。
 しかし、抵抗むなしく、ついに晶葉はその時を迎える。
「あッ、あッ、あああぁッ……!♡」
「晶葉、晶葉ッ!」
 彼の指が、完全に充血したクリトリスを弾き、彼の歯が、痛いほど勃起した乳首を甘く噛んだ。
「いやッ、あぁぁあッ、あぁぁあッーーー……!♡」
 晶葉の全身が激しく震え、硬直し、激しい嬌声を上げる。
「ああッ、ふッ、ああッ……!♡」
 晶葉の手が彼の二の腕を激しく握り込む。
「ふッ、ふぅぅッ♡」
 噛み締められた歯の間から吐息が漏れ、強く閉じられたまぶたの裏に、ぱちぱちと電流が走る。
 絶頂の間にもなお、彼の指はやわやわと刺激を続け、その絶頂を続けさせている。
「はぁッ、くッ、あぁッ……♪」
「晶葉」
「んッ」
 彼に名前を呼ばれただけで、また強く感じてしまう。
 そして秘芯を押し込まれるようにして刺激され、晶葉は軽く絶頂をする。
「んあぁッ……!♡」
 プロデューサーが指を口を離し、びくびくと身体を震わせる晶葉を抱きとめる。
「んッ、ふッ……」
 長い間続いた絶頂がようやく落ち着き、こわばっていた晶葉の身体から力が抜ける。
「頑張ったな」
 プロデューサーが彼女の頭を撫でる。
 晶葉は大きく息を吸い、吐いて、呼吸を整える。
「ちょっと、怖かった、ぞ……」
「ごめんな。晶葉に気持ちよくなって欲しくて」
 ほてらせた頬を、彼の肩へ擦りつける。
「うん……大丈夫」
 安心感からか、晶葉は大きくため息をついた。
「それと、気持ち、よかった……」
 身体の震えが落ち着くまで、二人は抱き合い、呼吸を合わせていた。
 しばらくすると、晶葉はようやく自分の喉がカラカラに乾いてしまっていることに気づいた。
「助手よ、喉が渇いただろう。水を持って」
 彼から身体を離し、晶葉はテーブルの上のグラスを取ろうとした。
 が、うまく身体に力が入らず、ソファから転げ落ちそうになってしまう。
「おっと」
 プロデューサーが晶葉の身体を支える。
「うぅ、すまん」
「ごめんな、そこまで体力使わせちゃって」
 プロデューサーが少し困ったような、心配した表情をしながら、晶葉を両腕で抱き上げる。
「う、うわわっ!」
 いわゆるお姫様抱っこをされ、晶葉は困惑する。
「あっちで少し休もう」
「ちょっ、ちょっと降ろしてくれ、助手、恥ずかしいっ」
 晶葉はじたばたと抵抗してみるが、意外とたくましい彼の腕からは逃れられなかった。
「いいじゃないか、ここには俺たちしかいないんだから」
 プロデューサーが晶葉へキスをする。
「うぅ」
 ずるい、と言ったような表情をして、晶葉はおとなしく寝室へと運ばれていった。

「飲めそうか?」
「いや、もう少し、休んでからにする……」
 晶葉はまだ息絶えだえといったようすで、起き上がれそうにない。
 するとプロデューサーが水を口に含み、晶葉へ唇を重ねる。
「んっ、んく、こくっ……」
 突然の口移しに晶葉は少し驚いたが、彼の行動にはもう慣れっこだった。
「んっ……ぷはっ。あ、ありがとう」
「どういたしまして」
 プロデューサーも少し水を飲み、晶葉の隣へ入り、頭を撫でてやる。
 晶葉はまぶたを閉じて、気持ちよさそうにまどろむ。
「最近よく聞くけど、女の子は頭を撫でられるのって、本当はあんまり好きじゃないのか?」
 プロデューサーがふと思い出したことを尋ねる。
「そうだな、いきなりされたら嫌かもしれんな」
「そ、そうか」
 プロデューサーの晶葉を撫でる手が止まる。
「あっ、違うぞ! す、好きな人にされたら、むしろ、嬉しいぞ」
 勘違いをさせるような言い方をしてしまったと、晶葉が焦る。
「つまり、その、助手になら、突然されても、すき、だから」
 視線をそらした晶葉が、たどたどしく言葉を出す。
 にこりと微笑んだプロデューサーが、先ほどよりも大きく晶葉を撫でる。
「そうか♪」
 撫でて、キス。
 キスして、撫でる。
「や、やめろ、脳細胞が死ぬ……♪」
 ようやく熱が下がってきたはずの晶葉の体温が、再び上昇してしまう。
 晶葉からもキスを求める。
「ちゅ、ちゅうちゅっ♪ んっ、ん……♪」
 プロデューサーが晶葉を抱き寄せ、ぎゅっと抱き締める。
「んっ」
 晶葉も彼を抱き締め、足を絡めさせて触れ合う。
「晶葉……」
「助手……」
 見つめあい、キスをする。
 頭を撫であい、またキスをする。
「んっ、あっ……♪」
 凪のような心地いい波の、幸せな時間が続く。
 胸の高まりが再び熱を帯びてきた頃、晶葉がこう尋ねた。
「そういえば、助手が最近何か悩んでいるようだったが、何かあったのか?」
 少し間を置いて、プロデューサーが答える。
「あぁ、クリスマスプレゼントが決まらなくてな」
「……そういうことだったのか!?」
 あっけにとられ、晶葉の口があんぐりと開いたままになる。
 あれだけちひろと相談して、勇気も出したのに、もう解決していたとは。
 それでも、結果的にはこうなれたのだから、よしとしよう。うん。と、晶葉は彼からクリスマスプレゼントにもらったイヤーカフを撫で、思う。
「晶葉、似合ってるよ」
「ありがとう」
 プロデューサーが微笑みながら晶葉を撫でる。
 しかし、彼を見つめる晶葉は少し不満げだ。
「どうした、晶葉」
「助手よ、それは私が言うべきことだ」
 予想外の返答に、プロデューサーは小首をかしげる。
「君が今している目は、あの時と同じ目だ。きっと、何かを悩んでいるに違いない」
 晶葉が口を尖らせて言う。
 いわゆる『ジト目』に、磨きがかかる。
「そ、そうか? 俺は今特に、何も……」
 プロデューサーが視線をそらし、絡めていた足を離そうとする。
 が、晶葉の足にがっちりと固められてしまい、離せない。
「ちゃんと言わなければ、離さんぞ」
 晶葉がじぃ、と彼を見つめる。
 彼女の気持ちを悟ったプロデューサーはついに観念し、口を開いた。
「わ、分かった、言うから。そうだな、晶葉の体力が、その、回復したかなぁ、と……」
「おかげさまで大丈夫だ」
 晶葉が彼の頭を撫でてみせる。
「だから、その、晶葉と続きが、したい」
 思春期の男子中学生のように、プロデューサーが頬を赤くして言う。
 遠回しに『君が欲しい』と言われた晶葉も、予想はしていたのに、顔を赤くしながら驚いてしまう。
「つ、続きとは、その」
「つまり、だな」
「赤ちゃん、つくるやつ……」
「そうだ……」
 二人の間に、少しの沈黙が訪れる。
 そして、お互いが同時に口を開いた。
「晶葉っ」
「助手っ」
 晶葉がこう続ける。
「私は、その、私なら、大丈夫だぞ」
 だんだんと小さくなっていく声で、晶葉が言った。
「それって、していいって、ことか?」
「……女の子に二度も同じことを言わせるんじゃないっ」
 晶葉がプロデューサーの胸へぽふん、と顔を埋める。
 彼女の精いっぱいの表現に安心し、いつもの表情に戻ったプロデューサーが、晶葉の頭を撫でる。
「晶葉、ありがとう。すごく嬉しいよ」
 晶葉が彼の胸へ額をぐりぐり、すりすりと擦りつける。
 プロデューサーが晶葉の頭や肩を撫で、緊張をほぐす。
「晶葉」
 キスをし、強く抱き締める。
 汗ばんだ肌が、気持ちいい。
 そして、彼の手が晶葉の秘所へ触れる。
「んっ」
 ぴくん、と彼女が肩を震わせて反応する。
 先ほどの愛撫からは少し間を置いてしまったが、こちらに来てからしばらく抱き合っていたおかげで、潤いは保たれているようだ。
「晶葉、怖くないか。大丈夫か」
 彼がそう尋ねると、晶葉は顔を上げて答えた。
「助手はきっと優しくしてくれるって、知ってるから」
 心を決めたように、晶葉が彼の瞳を見つめる。
「分かった。ありがとう」
 お互いに、ぎゅっと身体を抱き締め合う。
 高鳴る鼓動と緊張で、そんなはずはないのに、心はとても落ち着いていると、二人でいるとそう思えてくる。
 プロデューサーが晶葉のおでこにキスをし、身体を離す。
「それじゃあ、晶葉、仰向けになって」
「うん」
 腕で胸を隠した晶葉が、ころん、とベッドへ仰向けになる。
 プロデューサーがベッドサイドの棚からコンドームを取り出し、自らのものへしっかりと着けた。
「晶葉」
 まだ少し緊張している晶葉へ、プロデューサーが何度もキスをする。
「んっ、んっ……♪ 助手よ、そんな寂しそうな子犬みたいな顔をしなくても、私は大丈夫だぞ」
 晶葉が白い歯を見せ、にかっ、と笑ってみせる。
「ふふ、そうか。安心した」
 二人の緊張の糸がほぐれていく。
 抱き締めあい、お互いに耳元でささやく。
「晶葉、好きだ」
「私も、君が好きだ」
 甘く深いキスをし、お互いを確かめ合う。
 晶葉の隣で横になっていたプロデューサーが、彼女へ覆いかぶさる形になる。
 晶葉の喉が、ごくん、と鳴る。
「晶葉、痛かったらすぐに言うんだぞ」
「わかった」
 再び緊張しているような表情へ戻ってしまったプロデューサーを見て、晶葉が優しく微笑み、キスをする。
「ふふ、私なら大丈夫だ。だから……」
 初めてで、怖くて、今にも逃げ出したいけれど。
 それでも、心に決めた人を受け入れることからは、逃げ出したくない。
 何かを共に成し遂げることの尊さを教えてくれた、そんな彼を、愛しているから。
 晶葉は、微笑みの中に強い決意を秘めていた。
「晶葉っ……」
 プロデューサーの硬く熱いものが、晶葉の秘界へ触れる。
「あっ」
 そのまま先端でくちゅくちゅと膣口を刺激する。
「晶葉、挿入れるぞ」
「うん、来て……」
 プロデューサーが腰に力を入れ、ほんの少しだけ晶葉の中へ入る。
「あッ……!」
 晶葉は身体をよじり、歯を食いしばる。
 プロデューサーが腰を止めた。
「大丈夫か、しばらくはこのままでいるから」
「ううん、大丈夫だ。少し驚いただけだ」
 晶葉が顔をくしゃりとさせて微笑んでみせる。
 しかし、眉間に寄せられた小さなしわは隠せない。
 プロデューサーはできるだけ腰が動かないように注意しながら、彼女の頭を撫でる。
「晶葉」
 プロデューサーが晶葉の額の汗を拭き取ると、彼女はこう答えた。
「ありがとう。それと、ぴりぴりもなくなってきた」
 呼吸が落ち着き、玉のような汗も引いてきている。
「わかった。もう少しだけ、やってみよう」
 再びプロデューサーの腰が動く。
 傍から見れば進んでいることが分からないほど遅い動きだが、少しずつ、彼は晶葉の中へ入っていく。晶葉も、彼を受け入れていく。
「あッ、んんッ……あッ……!」
 まぶたをぎゅっと閉じ、晶葉が痛みと戦う。
 二人は幾度かの休憩を繰り返し、亀頭が全て挿入りそうなところまで腰を進めた。
「晶葉、大丈夫か」
「ん、大丈夫だ。けど」
 晶葉が唇を噛み、視線をそらしてから、再びプロデューサーを見つめる。
「手、繋いで欲しい……」
 晶葉が両手を前へ伸ばす。
「分かった」
 プロデューサーが晶葉の手を握る。
 いわゆる『恋人繋ぎ』だ。
 そして、そのまま晶葉へ倒れこむ姿勢になる。
「ちゅーしながら、して……?」
 潤んだ瞳で、晶葉が言った。
 二人の唇が触れ合う。
 彼の腰が動く。
 彼女の身体は一瞬こわばったが、彼の手を握り、彼もまたそれに応える。
 舌先を絡め、瞳と瞳で見つめ合う。
 彼がさらに腰を進めると、ぷちり、と、何かが弾けたような痛みが彼女の身体へ走った。
「んッ、んんッ……!」
 晶葉の身体が強くよじれる。
 思わずプロデューサーの手を激しく握り込んでしまったが、彼は何も言わずに、彼女の痛みを共有しようとした。
「はッ、はッ、はッ」
 強い痛みは引いたが、圧迫感のような、胸苦しい感覚は消えない。
 プロデューサーは、晶葉の呼吸が落ち着くまで頭を撫で続けている。
「じょ、しゅ……私……」
「あぁ、一番痛いところまで挿入った。よく頑張ったな、晶葉」
「そ、そうか、私、助手と……♪」
 気持ち良い感覚とはまだまだほど遠いが、愛しい恋人と身体を重ねられた嬉しさで、晶葉の胸はいっぱいだった。
 悲しい感情なんて一分もないはずなのに、晶葉の目尻から涙が一筋こぼれた。
「あ、あれ、おかしいぞ」
「晶葉」
 プロデューサーがキスをする。
「晶葉、好きだ。晶葉と一緒になれて、本当に嬉しい」
 晶葉も彼へキスを返す。
「私も、私も君が好きだ。嬉しい。ふふ、嬉し泣きなんて、初めてした」
 晶葉が涙を拭って微笑む。
「キス、しよう」
「ん……♪」
 唇を重ね、繋いだ手を握り込む。
 しばらくののち、ヒリヒリとした痛みはまだ残っているが、 息苦しさは少しずつ和らいできた。
「助手よ」
 晶葉が唇を離す。
「動かしても、いいぞ」
「あぁ。痛かったら言うんだぞ」
 プロデューサーが、再び腰に力を入れる。
「んっ……は、あぁ……」
 深く息を吐き、晶葉が耐える。
 脂汗は少しずつ引き、彼が腰を進めるたびに、晶葉の胸に不思議な充足感が広がっていく。
「晶葉、全部ッ……挿入った」
「そう、か……嬉しい……♪」
 心にあたたかい。彼の優しさのように。
 晶葉は微笑みながら、プロデューサーを撫でてやる。
「あ、晶葉」
「ふふ、助手が頑張ってくれたから、私も頑張れたんだ。だからいっぱい撫でられろ♪」
 晶葉がにかっ、と微笑む。
 健気で愛しい彼女の目元へ、プロデューサーがキスをする。
「ありがとう。晶葉」
 ぎゅっと抱き締め、深く繋がったまま、時を過ごす。
 身体の中も外も、彼に、彼女に、抱き締められている。
 幸せで、胸が苦しい。
「助手、動いても大丈夫だぞ」
 抱き締め合ったまま、晶葉が微笑む。
「うん。あと俺、ちょっと早いから、がっかりしないでくれ」
「何言ってる。えっちはそういうものじゃないだろ。たぶん」
 晶葉がプロデューサーの額へキスをする。
「だから、私の中でたくさん……その、感じてくれ」
 途中まで言ってからその大胆さに気づき、晶葉が頬を赤くして視線を泳がせる。
「晶葉ッ」
 晶葉を強く抱き締め、プロデューサーが少しずつ腰を動かす。
「んっ……あっ」
 肉壁がキツく、圧迫してくる。
 引き戻す瞬間、ゆっくりと動かしているはずなのに、卑猥な水音が、薄明かりの寝室に響く。
「あっ、ん」
 最奥まで進めると、晶葉の口から小さく声が漏れた。
 腰を引くと、彼女の身体がぶるぶると震え、シーツを握った晶葉が、寂しそうにこちらを見つめてくる。
 ぬるぬるとした愛液がコンドームの表面を光らせ、潤わせている。
「じょ、しゅッ……」
 晶葉がキスを求める。
「んっ……♪」
 抱き締め、キスをし、舌を絡ませる。
 その間にもゆっくりと腰を動かし続け、射精感を高めていく。
「晶葉ッ……」
「んっ、あっ、好き、私っ、好きっ」
「俺も、晶葉が好きだッ」
 腰が震え、速度が高まる。
 苦しさを和らげるために、彼女の身体を撫でる。
「んん……♪」
 小さく震える晶葉の手が、プロデューサーを強く抱き締める。
「私のことはっ、気にしないでいいからぁっ、だからぁ、最後っ、まで……!」
「晶葉ッ、ごめんッ」
 肌と肌がぶつかり合い、水音が激しくなる。
 晶葉の声は小刻みに上げられ、彼の絶頂が近いことを予感させる。
「晶葉ッ、俺ッ、もうッ……!」
「来てッ、たくさんッ、ああッ……来て……!」
 二人は強く抱き締め合い、汗ばむ肌が密着する。
 彼女の桃色の肉壁が、彼の硬く張った肉棒を擦り上げる。
「晶葉ッ、出るッ……!!」
「はッ、あッ……! ああッ……!!!」
 プロデューサーの腰がびくんと跳ね、最奥で精を放つ。
「んっ、はッ、んん……」
 痙攣する彼のものを通して、射精に至ったことが分かる。
 晶葉は彼が呼吸を落ち着けるまで、抱き締め、頭を撫でてやった。
「はぁッ、はぁッ……晶葉」
「助手……♪」
 キスをし、見つめ合う。
 いつのまにか繋がれていた手が、相手の感触を確かめ合っている。
「晶葉、気持ち、よかった……」
「ふふ、見れば分かるぞ♪」
 ゆっくりと引き抜き、プロデューサーが晶葉の横へ寝そべる。
 水が入ったボトルを手に取り、口に含み、彼が晶葉へ口移しをする。
「んっ、んくっ……ありがとう」
 晶葉が口を拭って微笑む。
「なんか、晶葉とこうして飲む水、うまいな」
「ふふ、そうだな」
 同じ枕に頭を乗せ、、天井を見つめる。
 身体はまだ熱く、掛け布団も剥いでしまっている。
 晶葉は優しく手を繋ぎ、彼が隣にいることを確かめた。
「助手、助手とできて、嬉しい」
「俺もだ」
 キスをして、微笑み合う。
「晶葉。疲れたり、悩んだりしたら、俺に何でも言ってくれ。できることは、全部したい」
 プロデューサーが晶葉の胸へ額をつける。
「頼りにしているぞ……♪ そしてそんな助手も、言いたいはちゃんと言うんだぞ」
「分かった。じゃあ」
 プロデューサーが顔を上げ、晶葉を見つめる。
「このまま、イチャイチャ、したい」
「ふふっ、かわいい奴め……♡」
 幸せな聖夜が、二人を包んでいた。


エピローグ

 ロビーでカードキーを受け取り、エレベーターのボタンを押す。
 様々な国籍の人間が乗り合う大型で最新型のエレベーターは、少しの振動もなく動き出した。
 外には様々なビルが放つ光が、美しい夜景を形作っていた。
 そして今、自分の横には、今日妻となったばかりの女性がいる。
 晶葉。彼女の名前だ。
「ふわ……」
 晶葉が小さくあくびをする。疲れたのだろう。
 それもそのはず。二人は仕事の合間をぬって今日のために入念な準備をし、様々なイベントもこなしてきた。
 そして明日の昼にはもう出国だ。相変わらず、忙しい日々を送っている。
 今日はゆっくり休もう。そう声をかけるつもりで、彼女の頭に手を乗せる。
「ん」
 晶葉は小さく声を出し、体を寄せる。
 二十歳を超えたとはいえ、やはり晶葉はまだ小さく、かわいらしい。
 それでも、アイドルやロボにかける情熱は変わっていない。
 シュウウゥ、とエレベーターが減速をし、目的の階に着く。
「エクスキューズミー」
 大きな体の同乗者たちの間を抜け、廊下へ出る。
 運よく角部屋が取れた。きっと夜景は綺麗だろう。
 部屋の鍵へカードキーをかざすと、ガチャ、と鍵が開いた。
 重く大きいドアを開けると、大きく開かれたカーテンの向こうに、やはり素晴らしい夜景が広がっていた。
「おぉ! いい部屋が取れたものだな!」
 晶葉がタタタ、と窓へ駆け寄る。
 ベッドの脇へスーツケースを置き、彼女の隣で外の風景を眺める。
「綺麗だな」
「あぁ」
 興味津々に何かを見つめる晶葉の瞳は、いつもきらきらとしていて、美しい。
 それが彼女の変わらない魅力の一つでもある。
「綺麗だ」
「そうだな」
「君が」
「い、いきなり何を」
 抱き寄せ、唇を奪う。
「ん、ふッ、んんっ……」
 晶葉の身体から力が抜け、こちらへしなだれかかる格好になる。
「晶葉、好きだ」
「私も、だ……」
 そのままベッドへ倒れこむ。
「晶葉。晶葉と結婚できて本当によかった」
「私も、同じ気持ちだ」
 薄く桃色にメイクされた晶葉の頬が、真っ赤に染まっていく。
 鼓動が高鳴り、彼女をもっと抱き締めたくなる。
「晶葉、したい」
「あぁ……しかし、ひとつ伝えておきたいことがある」
 なんだ、と尋ねる前に、晶葉が口を開いた。
「今日から、こどもつくるえっちにしたいんだが……どうだろう」
 真剣な顔をされたので思わず身構えたが、自分と考えていたことが同じで、なんだか面白くて、思わず軽く吹き出してしまう。
「あっ、今笑ったな」
「ごめんごめん。実は俺もそう伝えようと思っていたんだ」
「そ、そうだったのか……♪」
 晶葉の目が潤んでいく。
「晶葉、好きだ。ううん、愛してる」
「私もだ。愛しているよ、助手……いや、違うな。今日からは名前で呼ぼう。そう、君の名は」
 二人の新しい物語が、異国の夜へ融けていった。